key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

『ヴィレッジ』とは

いったいどういうことを言いたい話なのか、と言うことがずっと気になって考え続けているのです。
監督のシャマランはこの映画を「愛の物語」と言ったとかいうことで、そのことに異論はないものの、最後まで見ても何となくすっきりしない。
それでこんなふうに何度も書き付けをしているのですが。

結局、「人が集まって、社会が構成されているからには、悲劇は避けられない」と言うことなんじゃないかという気がしてきました。
悲惨な事故・事件の被害者たちが寄り集まって、そのような哀しみのない場所を、隔離された所に作り上げるというのが『ヴィレッジ』の村だけど、結局その中でも悲惨な事件はできて、そのため加害者と被害者が出る。また、被害者が加害者にもなる。文明から離れ、内部で密接に、仲良く暮らしていても、姉の思い人が妹の恋人になったり、片思いの彼女が別の男を好きになったことで、その男に危害を加えたりと、幼なじみであることを知らずに穴に落として殺してしまったりと、傷ついたり傷つけたりということは避けられない。
 そう言うことで言うと、『ヴィレッジ』の村は一見無事存続されるように見えて、実はもう崩壊しているのかも知れないなぁ。
 と、思いました。