key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

『大奥』5

大奥 第5巻 (ジェッツコミックス)

大奥 第5巻 (ジェッツコミックス)

本が届いたときにさらっと読んでいたのだけど、今日またちらちら読み返してみて、少し思うところがあったので、書き留めて置く。
今回の話はぶっちゃけ4巻の続きなわけだが、「着飾ること、綺麗であること=異性に選ばれる」ということが読後印象に残った。
女将軍は大奥の男選び放題なわけで、質素だった男たちの上下は、選ばれるためにだんだん華美になっていく。その辺が4巻あたりで書かれていたように思うんだけど、綱吉は自分が飾ることにもかなり力を入れているし、娘にも「本来なら女は学問を一生懸命やる必要はない」などと言っている。父親の教育もあって、選ぶ側も多くの男から求められなければならない。そのためには美しく、かわいらしく、魅力的であることが一番大切だと思い込み、そのことにずっととらわれ続けていたようにも思われた。このあたりはふた昔くらい前の「女に学問はいらない」的な話を思い出したりした。
好きなように選べる立場に回ったようで、結局選ばれなければならない。なんだか皮肉。
巻末に出てくる吉宗はそのあたりを軽やかに超越してしまっている存在。美しさにこだわらなくても、選ばれることはあると思っている。綱吉はそんなことは少しも考えたことはなかっただろう。美しく魅力的であること(=異性から求められること)が自分の仕事(すべきこと)だとずっと思ってきたんだろうから。

うーん。もう少し考えたい。