時代を感じる
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- 発売日: 2001/08/25
- メディア: DVD
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簡単にまとめると、「お金に意地汚い子供が、その意地汚さ故にカネゴンの繭に引き込まれ、怪物化する」という話だ。これだけ見ると、なんかそれっぽいが、中身はもうちょっと、いやかなり『山月記』とは違う。しかし面白い説なので、掴みには使えるかもしれん。カネゴンは最後に元に戻るが、これは、別に彼が徳を積んだから、とかではない。あと、最後に「ぎゃふん」といわされる。
見ていて気になったことを二、三。これは、「高度成長期の開発によって遊び場を奪われた子供の話」で、もしかすると「蔓延しはじめた拝金主義」の批判になっている……のかもしれないね(おもいつき)。まあ、鍋もって豆腐買いに行くような時代の話である*1。あと、時代を感じさせたのは、カネゴンの仲間達がお金に困って*2、カネゴンに芸を仕込み、見せ物にしてお金を稼がせようとするところ。リーダー格の男の子はサーカスの団長よろしく鞭をならしたりしている。流石にカネゴンをむち打ちはしないが、みんな本気っぽい。「腹空いたよぅ」とかいわれても、本気でうっとうしそうだし。たぶん、現代であればこの脚本はNGになってしまうんじゃないだろうか。
一緒に収録されていたのは、ガラモンの話が二つ。あと、ペギラの第二弾が入っていた。
驚いたのはペギラの話『東京氷河期』だった。
出稼ぎ(季節労働)にでたまま帰らない父親を捜しに、秋田から上京してきた子供が登場する。父親は元零戦のパイロットで戦後はなんかあんまり真面目にやっていない様子。出稼ぎもうまくいかなかったらしく、この父は命を助けてくれた万丈目くん達を脅し、金を奪おうとする。この父親は子供と衝撃的な再会をし、北アルプスまでペギミンH(ペギラを退治するために必要なクスリ)を取りに行き、最後には飛行機ごとペギラに立ち向かおうとして……となる訳なんだが、このお父さん、ラストには骨箱で登場するのだった。
これ、たぶん、今の子供番組だったら、九死に一生を得てしまうよなぁ。きっと。なんか、そういう「あり得ないような奇跡の物語」を現代には求められている気がするんだが。
と、いうことで、衝撃であった。
ガラモンの話はいろいろつっこみどころもあるが、2話目に出てきた宇宙人についてちょっと。
地球人に化けている訳なんだが、彼を乗せたトラックの運転手が、「どんな男ですか」と聞かれて、「女にしたらすげぇ美人だよ」と答えていたところにちょっと引っかかった。その形容はどうなのか(笑)いや、ほんとにまつげばさばさですけど。白黒画像は人をきれいに見せるなぁと思いました。あと、この時代のリモコンはやっぱありえん動きをするよな。ちなみに手のひらサイズですけど。