key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

『黒薔薇アリス2』

黒薔薇アリス 2 (プリンセスコミックス)

黒薔薇アリス 2 (プリンセスコミックス)

吸血樹たちがなんで日本にいるのかとかが少しわかった。保存されていた少女の死体に新しい魂が根付いて目覚め、「アリス」と名付けられて動き出したことで、話も少し回り出した感じ。いろいろと伏線も張られていた巻。
薔薇のあざから少しずつ枝葉が伸びて、それが繋がるとおそらく吸血樹は死んでしまうのだよね。1巻に出てきたマクシミリアンの最期が気になる。これから明らかになるのだろうか。


話はちょっとずれるのだけど、『俎上の鯉は二度跳ねる』に関するレビューをいくつか見たなかで、「水城さんの描く女性には2タイプある」という話があって、結構うなづけたのだけど、水城さんの描く女の子の中でも、女子属性の強い、キャピキャピ(死語)した女の子の割り切り方にはものすごいものがあるよな、と、『失恋ショコラティエ』を読み返していて思った。
例えばそれは『ショコラティエ』の中のサエコだったり、『窮鼠』だと恭一の前妻とかなんだけど、相手の男を見切ったらすっぱり切り捨てるというか、恋愛対象外をあくまで対象外としておくというような非情さ。特に恭一の前妻の知佳子の「そうやって待ってるのがもうキモチワルイ」「だからもう外に男の人作った」という台詞がもう恐くてぞっとしてしまった。こういうことを当人の目の前で言える人はそういないだろうけど、こんな風に他人をすっぱりカテゴライズしたらそれっきりな人はもしかすると結構な数いるんじゃなかろうか。
ショコラティエ』はサエコの気持ちがこれから動くかどうかが、今後の見所のひとつになるんだろうけど、敢えて勝手なことを想像すれば、サエコの気持ちは揺れはしてもおそらく大きく動きはしないと思うんだよな。サエコにとって、爽太はいつまでも恋愛対象外であって。そういうことでは、あれは全く恋愛マンガではなく、どっちかというと、青年誌とかOL系女子向け誌のお仕事マンガに近いんではないかと思った。
あ、それで付け足しのようにこのマンガに出てきた女子「アリス」に言及すると、この人(と言ったらいいのか。中身は28歳女教師)は上記とは対照的な、表面的にはてきぱきしていて割り切りがいい風だけど、内面は非常にウェットな女性。女の今ヶ瀬と言えばいいのか。恭一の元カノとかも同じ分類かな。そんな感じです。