key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

『ファンタジウム』2

ファンタジウム(2) (モーニング KC)

ファンタジウム(2) (モーニング KC)

発売してすぐに読んでいたんだけど、先日三浦しをんさんのブログでおすすめされていて、「あ、そういえば感想書いていなかった」と思い出した。
難読症ディスレクシア)だけど、手品には天才的な才能を持った少年と、少年をマジックの世界に引き込んだマジシャンの孫の青年の話。
なんとかLDでも通える学校に編入したのはいいけど、その学校で普通学級の子といろいろトラブルがあったり、テレビに出演したりして、スピリチュアルな人のマジックの種を暴いたりする巻。
アニマルXもそうだったんだけど、杉本さんはマイノリティと彼らをとりまく人間たちの軋轢とか、マジョリティ側のわりに醜い心情や振る舞いなんかも淡淡と、しかしきっちり描いていくので、特にマジョリティ側がマイノリティに対して嫌がらせをしたりするところは見ていてしんどくなることもある。なんだけど、目をそらさずにそういうものをきっちりと見つめていこうという姿勢には、本当に頭が下がるというか、立派だなぁと。
地味な漫画だけど、マジックの場面は素晴らしくて、漫画の登場人物だけじゃなく、読んでいるこっちの方も癒される感じがします。