ニュースが気持ち悪い
好きでも何でもないものを無理矢理愛することは出来ないし、「私を愛しなさい」と言われても、そんなことは出来ない。まして内実を問わず「愛して当然」だなんて。なんて言う思い上がりだろう。それこそ異常だと思う。逆もまた同じ。どうしようもなく愛しているものを「嫌え」「憎め」といわれて、「はいわかりました」と気持ちを切り替えられる人がどれだけいるだろうか。切り換えられるというなら、それは切り換えられる程度の感情でしかないということだ。
心を裏切り続けることの苦痛、感情を抑え、秘め続けることの苦しみを、いったいどのくらいの人が知っているだろう。
ことの外側にいる人は、いつでも勝手なことを言うものだ。
「嫌なら逃げろ」というくせに、自分は絶対それに関わろうとしない。
愛することを強要されること自体が普通ではないと思うのは、おかしなことだろうか。
- 作者: 遠藤周作
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1981/10/19
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