key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

苦しい選択

今月初めくらいに電子書籍版がお安くなっていて*1、シリアルコードもついていたので、買いました。
基本的にゲームの中で公開されているストーリーそのままなので、話の内容については特に言うこともないというか……。

ゲームって、地の文が存在しないので、ただキャラクターが出て来て会話をしたりすればなんとなく話は進んでいくんだけど、それを小説として成立させる時に、どこに視点を置いて語るのが適切なのかは非常に悩ましい所だと思うんだけど、この話に関してはやっぱり三人称が無難で適切だったんじゃないかと読みながら思いました。
ゲームの主人公はプレイヤーなので、基本的には主人公に固有名があることは望ましくなく、また、ゲームをしている時の感じそのままをなるべく届ける、ということを考えると、主人公の一人称小説になるのはやむを得ないんだろうけど、一人称小説としては非常に不自然であり得ない事態になっている場面も少なくなく、(自分がいないところで進行している話をリアルタイムのように語ったり、自分と対面している人物の詳細な内面描写等)なんか作品としてはすっきりしない仕上がりに思えた。これは一応乙女ゲーではあるし、夢ものとか好きな人は、あんまり明確に主人公のキャラが立っちゃうと嫌なんだろうと思うんだけども。それで、いろいろな難しさはわかるけれど、これをなんかうまいこと仕上げるにはどうしたらよかったのかと他人事でしかも素人にもかかわらず、プロの仕事についてちょっと考えていた。
あと、やっぱ普段ラノベ読まないので、文末に☆とか♪とかついていると、もにょる……。

同じ作者のラノベは家にあったものの、自分で目を通したことがなかったので、普段からこんななのかどうなのかわからないんだけど、ゲーム内ストーリーはメインライター(日日日)とサブライター(結城由乃)で分担されているうち、明らかにメインライターの書いたものの方が読み応えはあるので、いろいろ事情はあったんだろうけど、本で出すからにはゲームとは少し違うというか、整ったものにして欲しかったかなぁ。
あ、サブの方はサブである以上、メインの邪魔というか、メインの内容と齟齬のあるものは書けないという難しさはもちろんわかってますよ。

*1:1は100円。2は通常よりポイント多め