key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

何をどうしたらいいのか。

ファンタジウム(6) (モーニング KC)

ファンタジウム(6) (モーニング KC)

昨日付で新刊が出たらしいのだけど、いろいろネットで調べている中で、この本がとても部数が少なく、また、売り上げでも大変苦戦していると言うことを知り、ちょっと考え込んでしまう。
確かに地味な話だとは思うんだけど、結構高評価は得ていると思っていたのだけど。
初版が四桁であるとか、書店への配本がなかなかされないこともあるからか、作者が出版社から直接買い付けて通販とか聞くと……。思わず「何が悪いんだろう」と思ってしまった。
掲載されている雑誌自体が、M誌の増刊扱いで、部数もそんなに多くないようなのだけどね。
でもこれ、学校図書館とかにあっても全くおかしくないし、むしろ積極的に置いておけば?と思うたぐいのものなんだけどね。周ちゃんのトイレシーンとか、襲われそうになるのとか、ちょっと年齢考えないとまずいかもしれんけど。

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杉本さんは、この漫画を描くまで、いろんな出版社で仕事をしてきて、中には担当とほとんど打ち合わせをせず、原稿を書き上げたら出版社に送付するなどもあったらしい。ネームチェック、駄目出し等もほとんど経験していなかったらしい。
前述の担当との打ち合わせがほとんどないというのは、BL系のそう小さな出版社ではなく、結構名の通ったT社であったと言うから、驚いた。

よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり

よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり

↑この本に似たような話は書いてあったけど。
確かに以前の杉本さんのマンガには質のばらつきがもの凄くあって、中には「え?これを載せたの?」と思うようなものが無くもなかったのだけど、ほとんど内容のチェックもされずにいたのであれば、ある意味仕方がなかったのかも知れないし、彼女にとっては、実はとても不幸なことだったんじゃないかという気がする。なんとなくデビュー当時から知っている者としては、重病後もマンガを書き続けてくれていてありがたいとは思うものの、彼女のいいところをもっとのばしてもらえるような人に早く出会えていたら、漫画家としての評価がもっと違っていたんじゃないかと思わずにいられない。