再読
- 作者: 山田詠美
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1998/08
- メディア: 単行本
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いろんな男性作家との対談が入っている本なんだけど*1、奥泉光との話を何度も読んでしまう。
奥泉光とは、同じ文学賞の選考者同士で、文学賞に応募してくる人の話から、どんなものが最終的に選ばれたり選ばれなかったりするのか、編集者との関係や、小説を書く人とは……というような話をいろいろ。
奥泉光は「古典を50冊読んだ方がいい」という話をしている。
50冊、とは言わないけれど、私も少し前からそんなことを考えていたりする。
古典、とは言っても、近代以前のいわゆる古典ということではなく、近代以降のものでも、もうスタンダードとなっていて、タイトルや作家の名前だけはよく知られているようなものとか。
わりに多感な時期って、そういうかび臭い古びたものには価値の無いような気がしてしまって、次々新しいものを追いかけたがってしまうような気がするのだけど、そう言うものを読みもせずにただ腐していてもそれこそ意味がないとある時期から思い始めるようになった。
長く残っているものには、残るだけの意味が必ずあるので、どこにそんな意味や価値があるのかということを自分でしっかり知っておいた方がいいと思った。
ただ、そんなことを考え始めた時期にはもう私は好きなだけの時間を読書に費やすことが出来なくなっていた。それが本当に残念でならない。もっと早い時期に気付いていればよかったのに。
*1:対談というか、同年代の作家たちとの会話はむしろ雑談に近いような気もする。