『プラチナ・ビーズ』
- 作者: 五條瑛
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2001/07/19
- メディア: 文庫
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映像化すると良さそうだなぁと思いながら読んでいたのだけど、役者をそろえるのがとても大変そう。日本で実写はすごくがっかりしたことになりそうなので、ハリウッドあたりでお金かけてやってもらうといいのかも知れない。でなければ、いっそアニメの方がいいのかも。
登場人物では葉山と坂下のコンビが面白かった。特に葉山は何度か日記に書き留めてきたように、相当へたれなんだけども、話の主人公というのはへたれなくらいが丁度いいのだな、ということを、この話を読みながら何度か考えた。突っ込みようのない、例えばサーシャのような人が主人公だと、きっと読みながら入り込んでいけなくてつまらないことこの上ないだろう。へたれで殴られてばかりだったり、へまばっかりしてる主人公の裏にすごく出来る人間を配置するから効果的なんで。ただ、私は実は留実という女の子があんまり気に入ってなくて、葉山が彼女にこだわるのもわかるんだけど、そのこだわりぶりがちょっと鼻についたりした。
人物造形も話の組み立てもすごくよく出来ているなぁと思いました。みんな魅力的だし、日本人には近いようで遠い問題を扱っていて、読者に思考を促したり問題提起をする部分もある。そしてとても綺麗に整えられた物語。誤解されると困るのですが、これは別に揶揄するような言葉ではないです。泥臭い日常を感じさせずに(しかし物語世界の悲惨な部分はきちんと伝え、)読者をわくわくさせる娯楽作品として、とても良くできている。学ぶところがいろいろありました。
次は↓に行こうか
↑に行こうか、考え中。
しかし、解説等には「スパイ小説」とあるんだけど、「スパイ小説」でいいのかな。
「スパイ」……確かに仕事は「スパイ」だからいいのか。
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追記
エキサイトブックスのインタビュー記事を発見した。
五條さんて女の人だったんだ。
だからどうだと言われるとどうもしないのだが、ちょっと意外だったかも。でもどこかですとんと落ちた部分もある。