key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

村上春樹について

大学生くらいの時に、今は旦那になっている人がサリンジャーの研究をしていて、村上春樹も読んでいたので、その影響というか、「そんなにおもろいんかい」という気持ちで読んだのが始め。
ピンボールとかの鼠の三部作は面白かったし、ハードボイルドワンダーランドも面白かった。その後はしばらく離れていたが、同僚からねじ巻き鳥を借りて、しばらくぶりに近づいた。以降、つかず離れずという感じ。
先日話題になっていたブログの文章を読んだときに、「この文の雰囲気には覚えがあるな」とずっと考え続けていて、しばらくして出てきた答えが「村上春樹」だった。
自分の頭の中では回路がつながったものの、こうしてブログに書き留めておこうと思ったところで、何をどう村上春樹風と言っていいのかすぐにはわからなかった。それでまたしばらく考え続け、出た結論は「水たまり」だった。
語り口は、軽くきれいなのだが、中をのぞくと、まるで水たまりの底に泥が沈んでいる様に、暗い感情や閉塞感、絶望感、徒労感、虚脱感というようなマイナスの感情が存在しているという感じ。


くだんのブログは突発的なもめ事のため、閉鎖→一時復帰→削除となってしまったらしく、今は何もなくなっているのだが、その軽い語り口と、物わかりよさげな雰囲気が(「OK、そんなことはわかっているよ」的な)村上春樹を連想させたのかもしれない。


こういうのを「鼻につく文体」と感じる人がいるのはわかるが、「いなくなってせいせいした」と言うほど嫌うものでもないかな、と。
万人に好かれるものなどないので、そういうのを否定もしないが。