ちょっとした拷問
- 作者: 高村薫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2003/02
- メディア: 文庫
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なので、単行本から文庫になるまでにものすごい時間がかかるし、出来上がった文庫は、単行本とはちょっと違った趣になるものもあるようです。
この本は、高村さんがいろんな新聞の囲み記事というか、コラムというかで書いた原稿等を集めたものなのですが、この中に、昔書いた原稿を読むのが苦痛だという風な話が書いてあります。
高村さんは、全くの別人になったつもりで、「この作者は一体何を書きたかったんだろう」と探りつつ読むそうなのですが、昔のものはまあ、古いのでいろいろとあって、まったく嫌な気持ちになるらしい。
ということで、なにを言いたいのかというと、私もいま総集編の合本再版のために原稿の再確認をしているのですが、「なんじゃこりゃ。恥ずかしいことこの上なし」という気持ちで一杯になっているのです。もう、出来れば全消去して書き直しをしたいところですが、潔くそれはあきらめ、一度死んだ気になって(←大げさすぎ)誤字訂正とか用字変更のみ行っています。
もう、これは物書きにとってはちょっとした拷問ですね。まったく、物書きを殺すのに刃物はいらないと思いました。昔の原稿を見せれば、勝手に首をくくりたくなると思います。とりあえず私は。
※もちろん全員が全員ではないだろう。中には「やっぱ天才?」とか思いながら原稿見直す人もいるであろう。