key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

雇用と景気の関係

 ※ この下は要領得ない暗い話なんで、パスしたい方はさくっとお願いします。



 経費削減のため、職場に機械警備が導入されるという話がありました。
 ご存じの方も多いでしょうが、公務員は個人情報などを預かる事が多いので、そのたぐいの仕事はいかに切羽詰まっていても、家に持ち帰りなど出来ません。期日までに仕事を仕上げるのに、いよいよとなれば夜中まで職場に残って仕事をしなければならないわけですが、なんか、機械警備になると、設定時間になったらロックされて、出られなくなってしまうみたいです。どうするんでしょうね?お客さんがいなくならないと(つまり終業後)出来ない仕事もあるんですけどね。「前々からやっとけ」というのは正論ですが、世の中そううまく回ってくれたら苦労はない。
 それで、機械警備になる直接的な理由は、人件費を削ってコスト削減、と言う事ですが、それで解雇された人はどうすりゃいいの?と、ふと考えたりしました。
 先日ここでも取り上げた『チャーリーとチョコレート工場』の中に出てくるチャーリーの家族はもの凄く貧しくて、(老人4人+親子3人をお父さん一人の収入で支えている。)もの凄く薄いキャベツのスープしか飲めない生活をしている。お父さんは歯磨き工場で働いているけど、機械が導入される事になり、解雇されてしまう。お父さんもお母さんもそのことを家族には言い出せなくて、「もっと薄いキャベツのスープで頑張ろう」という話をしたりする。そんな貧しい生活の中で、一家は一生懸命貯めたお金(しかしチョコ一枚分くらいの少額)をチャーリーのために提供する。が、それではチケットは当たらなくて(しかも2回。この辺凄い不幸)、チャーリーは結局道ばたで拾ったお金でチョコレートを買い、チケットを当てる。
 この辺り、チャーリーが拾ったお金で買い物をするくだりは、「今ひとつ納得できない」と思った人もいたようだ。確かに「自分のお金じゃないのに、倫理的にどうなのよ?」とも思うわけだが、それでも許してやりたいくらい貧しいのですよ。ずいぶん前に書かれた話だけどね。
 最後に家族は幸せになり、お父さんも仕事が見つかって、一家は肉の食べられる生活が出来るようになる。
 しかし、実際の所、現在の英国国内でも最下層はずっとキャベツのスープから抜けられないらしい。そう思うとまた悲しい。
 一つ仕事を失った人が、またすぐ仕事を見つける事が出来る世の中だろうかと思うと、どうも疑問が浮かぶわけだ。本当に選ばなければ仕事はあると言う事は知っているけども。
 昔の貧しい時代の事を思い出して、なんてことを言う人もいるようなんだが、昔のものの普及していない時代と、ものが溢れかえっていて、消費とか購入の欲望を四六時中刺激されるような現代とでは全然違うと思う。「背伸びして頑張っていつか買いたい」と思えるうちはまだ幸せで、「いくら頑張っても手に入らない」「あんなにたくさんあるのに、(みんな持っているのに)どうして自分のものにはならないんだ?」と思い出すととても辛いと思う。
 景気が回復傾向とは言っても、ごく一部のような気がするし、(とりあえず私の周囲に景気のいい人はいない。公務員であるなしにかかわらず)それも人件費などを削って削って、働いている人に随分無理をさせて無理矢理のように生み出したものじゃないんだろうか。削られた人たちはどうしてるんだろう。生活保護の基準もいま凄く厳しいみたいだし。
 とりあえず解雇される警備員さんが今後どうなるか気になるわけです。
 なんかうまくいかないのかな〜と、思うんだけど。
 働きたくない人がいるのはそうだと思うけど、働きたいのに解雇されるとか仕事に就けないという人もいるわけで、そういうのってなんとかうまく回していけないもんですかね。