key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

掃除しながら見ようと思っていたDVDとか。

 作り込んだ安っぽさを満喫した。キャストもいいし、お金がかかっているのに、スタジオとかステージっぽい撮影だったり、背景書き割りだったりする。たまらん。鈴木清順の映画ですから、見る人をとても選びます。最近だと、「真夜中の弥次さん喜多さん」とかを楽しんだ人には勧めます。オダギリ君の歌が評判いいんですが、確かに意外な巧さかも。由紀さおり平幹二郎が怪演をしています。平幹二郎は黒澤パロかと一瞬思いました。色んな意味で笑えた。あ、あと、美空ひばりが出ていますよ。
 ところで鈴木清順は85歳だそうだ。枯れない人だなぁ……。

阿修羅城の瞳 [DVD]

阿修羅城の瞳 [DVD]

 監督は「陰陽師」を撮った人、と、きいて納得。画面の感じがよく似ていると思う。
染五郎がとてもいい。さすが本職ね、と言う感じ。「真夜中の弥次さん喜多さん」で七之介を見た時にも思ったんだけど。体に染みついているんだろうなぁ、と、思った。渡部篤郎はいつも通り。宮沢りえは頑張っているし、盗賊の時には可愛いんだが、最後の殺陣になると、やっぱり弱い。比べるべきではないんだろうが、その前にチャン・ツィイーを見ていたので、体にキレがなく、まねごとっぽくてそこだけ興ざめした。そして地味に小日向文世がいいです。あれはとても美味しい役じゃないか。
 元々が舞台だからか、舞台派からの反発が強いらしい。しかし、うまく場面をチョイスして伝奇的な恋愛ものに仕上がっているんじゃないか。半端にギャグを入れても良くなかったような気がする。

 不親切、という話は聞いていたが、考えてみると本当に説明不足で不親切だと思う。しかし見る時にはあまりそんな風に感じなかったのは、雰囲気が凄くあるせいかもしれない。実相寺マジック(笑)。何となく変な雰囲気作るのは昔から得意だから。おもわず何度かリピートして見てしまった。
 たしか原作は既読だったと思うんだけど、原田知世が二役で出ているのに、役柄のせいもあって、「本当は一人?」と、混乱しそうになった。永瀬正敏のぼへっとした感じは結構あってたんじゃないかと個人的には思った。キャストにはあまり不満はありません。 京極夏彦も出ているけども、……わざとかな。結構似てる人たちだったのか、と、思いました。ていうか、水木しげるの漫画にいかにも出てきそうである(笑)「いるいる」という感じ。途中で水木しげる画の紙芝居が出てくるが、それが妙に有り難い感じがした。だって、書き下ろしっぽいからさ(笑)。