key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

昨日の午前中で、これまで関わってきたとても重要な仕事が一つ終わりまして、ほっとしたのか、昨日は他のことが手につかなくて困りました。頭の中が空っぽになっていた。手紙を二通書こうと思っていたんだけど、日を改めて。

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先日、『SWITCH』のスラムダンク号がやっと入手できたのですが、中を見ていたら、胸が一杯になってきました。
終了から何年も経っているのに、「あれから十日後」ということで、今もキャラクターがしっかりと生きている様子に感動したり、また、黒板に悪戯をする人が一人もいなかったことに感心したり、作者自身のコメントにも胸に迫るものがあって、何とも言えない気持ちになったのです。新聞六紙に作者自身が出資をして掲載したという全面広告の絵を見ているだけで、なんだか泣けてきそうだった。
あんな話が書けたら幸せだ。
良い漫画読ませてもらってありがとう、と、改めて言いたいような気持ちになりました。

と、いうことで、作者サイトで黒板カードを購入……(笑)。

ちなみに、私が一生懸命読んだスポーツ漫画。
スラムダンク」と、「柔道部物語」
自信を持って、他人にもお勧めしたい二本です。

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大変失礼な話なのですが『ねじまき鳥クロニクル』を読んだときに、なぜか「村上春樹はもういい。これで終わり」と思ってしまい、その後は「読もうかな、どうしようかな」と思いつつ、手に取ることはなくなっていました。
そうなんだけども、先日佐々木マキの絵本を買ったからか、映画「トニー滝谷」のレビューを読んだからか、なんとなく村上春樹を読みたいな、と、思い立ち、いくつか購入。本当に久しぶりに、村上春樹の文体に触れた。
まず開いたのは『神の子ども達はみな踊る』だったんだけど、あの、村上春樹の文の現実感のなさというか、別世界の生活感のようなものを一行目から感じた。
どういうことかというと、最初の話には釧路が出てくるし、実際に起きた震災のことが書かれているんだけど、それは、私達が今生きている世界の釧路とか震災とは全く関わりのないもののように感じられる。では、嘘っぱちの世界なのか、というと、そう言うわけでもない。パラレルワールドの一つで展開されている物語のような感じをうける。似たような同じ世界で生きている人たち、と、いう感じ。
まあ、リアルか、と言われると、村上春樹の小説では、どこかで、ちょっと現実とはずれる要素が含まれていることが多いので、非現実的といえばそうなのだけど。
どうしてなのかな、ということをここ数日なんとなく考え続けているんだけど、思いついたのは、あの、情緒の揺れの感じられない文体のせいかもしれないと言うこと。村上春樹の小説で「興奮した」とか書かれていても、文章自体から受ける印象は、わりに一定したゆったりとしたペースで、あまり興奮しているようには感じられなかったりする。
ってここまで書いて『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』のことを思い出した。あれは結構グルーヴ感があったような印象が残っているなぁ。
まあ、相変わらずで、楽しんでいます。と、そう言うことなのですが。