key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

『美しく燃える森』

美しく燃える森 ( シャレードコミックス ) (CHARADE BOOKS COMICS)

美しく燃える森 ( シャレードコミックス ) (CHARADE BOOKS COMICS)

刊行6月末で、なんでこんなに秋一色なのかと思ったが、そもそもこの本は9月刊行予定だったのである。仕方がない。この本は本当に発行されたことに大きな意義があるので、多少の絵柄の変化にも目をつぶりたい。途中、とくに最後の『懐かしい夜』では、昇が一部『かみなりソーダ』の龍泉かと見まがう所もあった。昇、もう三〇代後半のはずなんだが、どんどん若くなっていく。
『千の花』でばっさり切られた勇気の髪もまた長くなって、どんどん色が抜けていっていた昇の髪はまた黒くなった。いつもの通りで、しまりのあるような無いような、面白さを他人に伝えにくいマンガなんだが、昨日は手元に届いたことが嬉しくて*1何度も読み返してしまった。
他人の結婚式に便乗して愛を誓い合い、週末婚から同居に至った二人の話で、話はあいかわらずである。小さな喧嘩。意地っ張りと仲直り。この話の魅力は断然昇のツン体質だと私は勝手に思っているのだけど、昇が長いこと自分に問い続けてきた「どうして自分は勇気じゃなきゃ駄目なのか」という問の答えが、(そんなことは一言も書いていないけれど)『美しく燃える森』にはあったような気がする。
とりあえず二人は落ち着いてしまったので、もうこの後はだらだら思い出したように続けて行くか、これでおしまいにするかのどちらかだと思うのだけど、掲載誌がもう存在しないと言うことを考えると、帯には”第3弾”とあるものの、実質完結巻になってしまいそう。
どこか懐の大きな出版社が、これを引き継いでくれないかなー。依田さんの仕事の範囲だと、徳間とか、芳文社かな。新書館はなんとなく無理っぽい感じがする。いまやっているシリーズのあとでいいので、是非お願いしたい。


あとは『よるべなき男』の刊行を心待ちにしていようと思う。

*1:長いこと取り組んでいた仕事から解放されたタイミングで到着して、慰労のように感じた。