私はここのところ3代くらい続けて同じ会社のノートPCを使っているんですけど、いろいろ事情があって中を開けてみたりすると、他社のロゴが入った部品がたくさん入っていてぎょっとしたことがあります。
例えば、私たちが日常よく手にする飲料缶とかペットボトルとか洗剤の容器みたいなものは、どこでどうやって作っているのかなんて考えもしないものだし、すごく短絡的な発想で、「飲料メーカーで作ってるんじゃないの?」なんてことも言ってしまいそうなんだけど、ああいうものもいろいろな会社の技術の寄せ集めなんだよな。ということをちょっと前に考えた。
例えば、いま世界でぶいぶい言わせているところの自動車会社Tの部品を全部自社でまかなっていると言うことはないんだけど、Tの名前は表に出ても、中にある大事な部品を作っているメーカーの名前はあんまり表に出てこない。なんだかそう言うことを知らないのはすごく損をしているような気がしてならない。
エスカレーターとかエレベーターもそうなんだけど、乗降しているときには何となく「安全に乗降できて当たり前」って感じでいるけど、それはきちんとメンテナンスをしてくれる業者がいるからなんだよね。事故が起きたりすると、製造メーカーとかメンテ業者の事がいろいろ言われるけど、何もないときにその業者のことに思いをはせることはそうないよな、と思うと、そういう見えない仕事をしてくれてる人のことをもっと大事にしないといけないよな、という気がしてきた。
あと、ちょっと前に、割に「どうでもいいや」と言う気持ちで100均で二穴パンチを買ったら、中の心棒を通す穴の部分のスチールがきちんと削られてなくて、ささくれているために、10枚はいるはずの紙が5枚くらいしか入らなかったり、紙が破けてしまうと言うことがあってですね。たいへん嫌な気持ちになったりしました。たぶんもう100均でパンチは買わない。
「一つのアイディアを形にする」と言うときに、アイディアを出す方が上で、製造は下、みたいなことも時々耳にすることがあるんだけど、アイディアを出す方は製造機械をきちんと制御することは出来ないわけだし、自分の考えたものをきちんと形にしてくれるのは、製造現場がしっかりしているからだよね、と、思うわけです。だから「研究者はハンダ付けなんかできなくてもいい」とか言うもんじゃないと思いますよ。こういうことを言う人がいると、つい「誰でも出来るというなら、なぜお前は出来ない」と詰め寄りたくなります。実際。
アイディアを出すのももちろん大事なんだけど、自分の出来ないことをきちんとやり遂げてくれる人のことは、もっと大事にしなきゃいけないよね。とか、思いました。