- 作者: くらもちふさこ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/11/19
- メディア: コミック
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舞台に設定された町に住んでいたり、縁あってその町を訪れたりした人がそれぞれ主人公に据えられた短編連作で、各話の登場人物が当然ながら他の話にも通行人的な役割で出ていたりする。
くらもちふさこというのは、私にとっては、例えば音楽で言うと、サザンとかユーミンとか山下達郎とかに近い位置づけで、なにかの媒体(CMやラジオなど)を通して聞くと、好感を持って聞いたり、その上手さに舌を巻いたりするんだけど、自分では積極的に購入するものに入らない部類のもので、雑誌で読んでは「うまいな〜」と思う割に、単行本をあまり買ってはいない。つかず離れずというか。
これも、一言でどう表現したらいいのかよくわからないんだけど、文芸作品に近い味わいのある作品だと思った。だけど、この漫画と同じものを文章で表現しようとすると、語りすぎてしまうような気がする。漫画と文芸の境界ぎりぎりのところにいるような印象。
画面には非常に緊張感があり、斬新だけれど熟練味もある。次は誰のどんな話が語られるのかと思うと、わくわくさせられる。久しぶりに続きが早くみたいな、と、思わされた。