key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

YOIにおけるわたくしの立ち位置

公式がヴィクトルと勝生を猛烈プッシュしてくるのて゛、基本雑食のわたくしなのですが、組み合わせとしてはヴィクトルと勝生です。
ベースは「一周まわってなにもしてないよ派」で「あの頃の僕たちなにもしてなかったのが不思議だよね、と後から振り返る派」なのですが、もし、ストレートに二人が関係あるとしたら、実はヴィク勇ヴィクです。
ヴィクトルは綺麗なお姉さん枠なので、最初は勝生をリードするけど、のちのち勝生にがっつりやられるみたいな。そういう絵がなんとなく見えました。
自分には逆立ちしても書けないタイプの文章を書く人にどうしても入れ込む傾向があり、今回もそういうのに出会ってしまったので、その影響が多分にあるとは思うものの、この二人は「心身ともに相手に全部与えて相手を全部受け入れる」というのがはまっているように感じたので、公式放送中はどっちが右でも左でもいいな、と思っていたのが、「後日ゆるやかにリバに移行する派」になったのでした。自分でも結構珍しいと思う。
ちなみに私が碁でCPした中でリバの人たちはいない。

指輪に関して、「ヴィクトルと勝生がそれぞれ指輪を買っていたよ説」を聞いたのですが、ウェディングリングは二本ひと組であるはずなのと、あそこは二人が全く同じ指輪をお互いにすることで相手に自分を預けたり預けられたりという「離れずに側にいて」を形あるもので示すことが目的だと思うので、行動としては勝生の暴走であり、ヴィクトルは「あれ、右の薬指に指輪されちゃったぞ……。追い詰められたアスリート(=勝生)は本当に思いがけないことをするな」とぽかんとするばかりだったと考えています。勝生としては、これから別れても、ヴィクトルが自分の手元にあるのと同じ指輪を持っている、ということを今後の生活の支えにしようと思っていたんじゃないかと思うので、まあ彼も「御礼」と言ってますけど、一応そういうことで「左の薬指にしなければ問題なかろう」と考えて右手を選んだんじゃないかと思っています……。ロシアでは右に結婚指輪をする習わしらしいですけどね。ヴィクトルはこの辺を勝生に後日迫って欲しいと思っています……。

二人の関係の描き方に関しては、賛否あるのは見ています。
ただ、描いている業界的に、モデルにしている人たちの中にも、多様な恋愛関係を築いている人がいることを、原案の方々は重々承知しているわけで、彼らに対して「やさしくありたい」と考えるのは、社会的にも全く間違っていないと思う。原案側からアナウンスめいたものがあったのは、「自分たちは興味本位やおもしろ半分やウケ狙いで、あなた方の築いている人間関係に似たものを描いているわけではない。傷つけたいとは考えていない」と彼女たちの敬愛する人たちに一言弁明しておきたい気持ちだったのでは、と考えている。
現実に偏見があり障害が大きいからと言って、作品的には恋愛を主眼としたものではないので、そこにフォーカスして話を進めるのは全く筋が違う。第十滑走で指輪の交換があり、早朝の海辺で自分の右手をかざしてみているヴィクトルの気持ちを想像してみたときに、「ヴィクトルはもしかするとゲイなのかな」とふと思ったことがあったんだけど、でもこの話は別にセクシュアリティをテーマにしているわけではないし、ヴィクトルと勝生の恋愛をテーマにしているわけでもないしな、とそれ以上追求することをやめた。もし二人の恋愛がテーマなら、スケートの場面はもっと少なくなって、二人で見つめ合ってもっとどきどきしたり嫉妬したりしてると思うし、当て馬だって出てくると思うぜ。