ツンデレとツンデレ
- 作者: 井伏鱒二
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1948/01/15
- メディア: 文庫
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この小説のラストが、全集収録の際に作者の手によってぶった切られた、という話は、全集刊行当時結構話題になったのだが、実のところ、その理由は明らかになっていないような*1。
ただ、カットされた場面があると無しではずいぶん印象が違ってしまう。
とりあえず、山椒魚は蛙にデレない。蛙も最後の強がりを見せたりしない。二人(おっと、二匹)でお互いにツンとしたまま、話が終わることになってしまう。
昔読んだときには、授業の課題であったからか、そんなに面白いとも思わなかった気がするのだが、今回は結構面白く読めた。ツンデレ好きに勧めたい。
ツンデレ×ツンデレ。好きな相手を閉じ込めて、自分と同じ不幸を味わわせる。そんな屈折した愛の表現。そんな感じ。
*1:もし、作者コメントなどあったのなら、是非知りたい