key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

佐藤史生さんご逝去

さて、先週もいくつかの訃報があった。
先日の日記をつけた直後に佐藤史生さんがなくなられたという話。その翌日か翌々日にマルコム・マクラーレン、昨日は井上ひさしさんとか。
昨年の中島梓さんの時もそうだが、自分が見たり聞いたり、リアルタイムで接してきたものの作り手が亡くなるというのは、なんとも言い難くさみしく切ないものだ。
実際井上氏のつくったものなどは、私にとって近しい感覚のあるものではないのだけど、彼が分厚い小説などで脚光を浴びていた時期などを覚えているので、「ついに」というくらいの思いはわいてくる。

で、佐藤さんです。
以前何度かこの日記でも佐藤さんのことは書いたのだけど、ここ数年はぱったりと作品が見られなくなり、出版物も店頭で見かけなくなって「どうされたのかな」と思っていたのだけど、佐藤さんと親しかった坂田靖子さんのサイトに書かれていたことによると、数年前から闘病生活に入っていたとのこと。ガンが発見され、術後に転移も見られ、最終的にはホスピスに入られていたということだった。

坂田さんのサイトでは最後に以下のような文章があった。

サカタBOXでは、読む方が暗い気持ちになる話題はなるべく書かないようにしているのですけど、 佐藤史生先生は現在、連載誌や掲載誌がなく、 いままで佐藤史生先生の作品を愛してくださった読者の方々には、 何かの形でお知らせしておいた方がいいと思い、 このサイトを使って報告させていただく事にしました。

佐藤さんのことは読売オンラインに出ていたのを見たのが最初、次に私のアンテナに入っているサイトで取り上げられている記事を見て、そこから坂田さんのサイトに飛んで詳細を知った。
個人的にマンガに関することはわりに事細かに追いかけている印象のあったコミックナタリーでは記事が出なかった。ナタリーでは名前すら情報に載せられていないことを見ても、もう世間的には終わってしまった漫画家だったのだなぁと思った。
小学館で刊行されていた本(『ワン・ゼロ』や『夢見る惑星』など)は今は電子書籍として全点手に入れられるらしい。
しかし佐藤さんの仕事として重要な部分は新書館で扱っていたものじゃないかと思うのだよね。これはいまはほとんど手に入れられないと思う。特にSFについては、追悼企画でどこかで復刊してくれないものだろうか。佐藤さんの本で一番新しいものは、早川から出た文庫のようなのだけど、早川とかなにかしてくれないかなぁ。このまま無かったことのようになってしまうのは、もったいない気がする。