key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

入り口としての教科書

閑人生生 平成雑記帳2007~2009 (朝日文庫)

閑人生生 平成雑記帳2007~2009 (朝日文庫)

この本は週刊誌連載の時評を収録したものなので、「なにか待ち時間がある折にでも読もう」と、買ったまま車の中に置いてあったのですが、先日車に同乗した金子さんが知らんうちに読み始めていたのでした。
いまどきの中学生で読むのはラノベが中心の金子さんには、高村薫なんて面白いんだろうか。家の本棚にはずらっと並んでいるけど、作風とかも馴染まないんじゃ、と、思っていたのだけど、普通に「面白いよ」と答えが返ってきた。
「この人の文章、教科書に載ってたから(知ってる)」
だそうだ。
確かに私も国語の教科書で見たことあります。
でも、特に最近の教科書なんて、昔のと違って「いろいろな文章を読ませる」というのが目標の一つにもなっているから、種々雑多な人の文章が細切れに並んでいるのに、よく筆者の名前を覚えていたな、と思う。
私は教科書に小説や評論の一部のみを載せるというのがあまり好きではないのだけど*1、そう言うのも含め、一種の文章カタログとして、教科書というのはそれなりに意味のあるものなのかもしれないなぁ、と、助手席で読書中の金子さんを見ながら思いました。

*1:上手いことまとめて切ってあるものならまだしも