key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

『AMETORA』

AMETORA―雨寅― (ディアプラスコミックス)

AMETORA―雨寅― (ディアプラスコミックス)

雨寅って、「アメフラシ」のことらしい。
表紙はさわやかだけど、中は全然さわやかな話ではない。微妙に後味が悪い。
ダム好きの男の子が主人公って、どんな話になるんだろうと思っていたんだけども。
嫌いな話ではないんだが、読む人を選ぶような気がするなぁ……。

以下ネタばれるのでたたむ。
一応表紙の二人が出来上がるまでの三日ぐらいの話が中心の筋なんだけど、怪異現象、DV、自傷、浮気、殺人未遂(?)、近親相姦等々いろいろ問題含んでいて、特に怪異現象は入れた意味があったのか……。話の中で機能していないネタになってしまった。他にも未消化のものがいろいろあって、散漫な話になってしまった。
主役の二人はいいのに。
素数の話しながら告白するところとか、結構ぐっと来たのに。
お馬鹿受けじゃないし。ショタ系でもないし。
残念だった。
暗い話が嫌いなわけじゃない。むしろ依田さんのマンガでは、この本みたいに少しシビアで暗めの雰囲気の話の方が好き。だけど、もう少しまとまりが欲しかった気がする。昔から思っていたんだけど、依田さんの欠点は脇の個々人の背景に踏み込みすぎる所があることじゃないか。これはその辺が裏目に出てしまったような気がした。


そう言えば、首締めたりしながらやりたがるのって、なんていうんだったか。思い出せない……。