key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

別にどうでもいいことなんだが。

「Aさん知らない?受付まだなんだけど」
「知らない」
「連絡つく?」
「え?家に電話すんの?やだよ」
という会話が昨日あった。
うちの職場は100人ちかく職員がいるので、これまで1日かけていた検診も、2班に分かれ、2日日程で行うことになった。
Aさんは2日目の班に入っていたが、受付終了時間が近づいても姿が見えない。それで担当の人が焦って周囲に声をかけていたのが↑。Aさんは携帯を持っていない。
Aさんが受付時間のことを知っていて、もしもう家を離れているなら、家に電話しても仕方がないのである。家族に言付けたところで、どうせ本人に連絡はつかない。じりじりはらはらしながら、Aさんの到着を待つより無いのである。
あと、この場合家の電話に連絡するのがいや、というのは、彼の不名誉を家族にわざわざご披露しなければならないということもあるであろう。また、話の通じない相手が電話口に出る可能性のある場合、などもあるか。
人間は失敗をするもので、約束を忘れることもままある。AさんはAさんの考え方があって、携帯を持たないのだろうから、まあそれは好きにすればいいと思う。
先日、増田で「携帯を持っていない人とはアバウトな待ち合わせなどが出来ない」という話があったんだけど、別に待ち合わせなど携帯が無くてもきちんと出来るだろうと思う。それは双方の心がけ次第で。携帯を持たない側が、なにがしかの事故に巻き込まれて、待ち合わせに遅れる、と言うことはあるかも知れないけども。公衆電話も最近本当に見かけないので、そう言うことがあった場合には、いろいろと双方大変だなぁとは思うけども。でも、「持ってない」と思えば、なんか方法はあるんだろうと思う。これで「家電も料金未納につきストップしている」とか、「家電がない」とか言われると、「何とかしてくれ!」と思わないでもないが、でも私的な生活でそう困ることはないんだろう。たぶん。
ちょっと話はずれたけど、私も上記のAさんと昨年仕事をすることがあって、彼が携帯を持っていないために、大変困ったことがあったのだった。
Aさんは、昨年あるグループのリーダーをやっていて、グループ構成員の個々の状況を把握し、他と調整を図ったり、Aさんが責任者としてグループ構成員のことについて決断をしなければならない立場にあったのである。扱っていた用件はわりにデリケートなもので、私はその渉外的な業務で彼および彼のグループとかかわっていた。例えば電話口で「いますぐ返答を。返答できなければお宅は断って、他に行きます」というようなこともあったりする業務。ただそういう緊急事態はそう多くはないんだけれど、でも起こりえないことではない。そして昨年Aさんのグループにその緊急事態が何度か起こってしまった。ものごとの決定権はAさんにあるのに、Aさんが捕まらない。家に電話してもいない。つながらない。相手は話がすすまないことに腹を立て始めたりして、本当に困ってしまった。その時は本当に「携帯持ってくれよ!」と切実に思った。もっとも、携帯持っていたところで、電源切られていたら繋がらないんだけど。
ただ、自分が重要な案件を抱えていて、決定権を持つグループのリーダーだという自覚があるなら、その時に電源切るなんてことはしないと思うのだ。たぶん。
いつ起こるのかわからないそういう緊急時のために毎月高い料金を支払うのは無駄。
たしかにそうかもしれない。
だから積極的にAさんに「携帯持ってくれ」と私は言わなかったし(ぐっと飲み込んだというのが本当のところ。そんなことを問題が片付いてから言ってもどうしようもない。周囲がどんなに走り回って問題を納めても、「自分に連絡がつかなくてもなんとかなった」ということになってしまうから。全く意味のないことである。)今でも言おうとは思わない。好きにすればいいと思う。不利益を被るのが自分だけであるならば。
グループリーダーで、メンバーと密に連絡を取らなければならず、時には代表として物事を決定しなければならないという自分の立場をよく理解して欲しいとは思った。彼がその時扱っていたのは、確実に他人の人生を左右するような重要な案件であったから。その重要性と、自分の主義主張を天秤にかけて、そういう緊急事態が起こるよりももっと前の、ずっと早い時期に決断して欲しかったと思った。他のだれもAさんの代わりの決定権など持ってないのだ。

繰り返しになるけれど、別に私生活で必要ないなら持とうが持つまいが勝手にしてくれ、と思う。ただ、自分が社会人として他人とのパイプ役になる立場であったり、決断を迫られるような案件を持つ立場であると思うなら、好き嫌いとか主義主張がどうとか言うのは置いておいて、「それは今の自分の立場に必要なものであるかどうか」をほんとによくよく考えて欲しいと思う。そしてもし「必要だ」と思われるなら、主義主張はちょっと置いておいて、携帯所持して欲しい。家電は家に本人がいる分には有効だが、本人が家にいない場合、家に電話しても問題はなんら解決しないということで、全く意味を持たないのである。
……なんてことを去年考えていたことを、昨日朝のやりとりで思いだした次第。
Aさんはどこにいたのか、遅刻したのかどうか、別室にいた私はよくわからないけど、検診には参加できたみたいだ。
よかったよかった。