key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

『薔薇の瞳は爆弾』

薔薇の瞳は爆弾 (ビーボーイコミックス)

薔薇の瞳は爆弾 (ビーボーイコミックス)

忘年会の日(金曜日)、会場へ向かう前にちょっと本屋に立ち寄ったら、一冊だけ残っていたので、購入。
短編集で、いろんなカラーの話が入っているんだけども、とりあえず表題作はコメディ。見津田くんのツボがわかりそうでわからないというか「え〜、そこにきた!」と思う辺り、やっぱ私はドMではないんだな、とか思ったり。いや、蓮見くんも変ですけど。でも蓮見くんの気持ちとか、「浮気者!」の治人くんの気持ちはわからないでもない。
個人的には「嗚呼ボーイフレンド」あたりの、「悶々としているんだけど、そのうちの数%ぐらいのことしか口に出せない」(ものすごいやりたいのに手をつないでとか言う)あたりとか、「らしいな」という感じがした。
収録作では「絶望の庭」がよかったかな。
好きな男の恋人(女の子)にぽろっと言葉をもらしてしまったりとか、いろんな思いを抱えたままただ泣いてしまったり、ヤマシタトモコのマンガには「あふれそうなプール*1があふれ出す」というか、「表面張力で保っていた水がふとした拍子にあふれてこぼれる」、または「増水のためダム決壊」的なところがよくあるようにおもうのだけど、そう言うところがいろいろな人の気を引く要因になっているのではないかと思ったりする。世の中にはまったく内にため込まず、思ったことをすぐに口に出さないと気が済まなくて、実際口に出すので常に心はすっきり!な人もいますが、そう言う人にとっては、これは不可解なマンガなんだろうな、とか思いますけども。あと、メジャーな商業マンガを読み慣れている人よりは、同人に親和性の高い人の方が、馴染みやすいのではないだろうか。余計なお世話だが。
今回の中で「これはな〜……」と思ったのは、実は「さようならのお時間です」で、ヤマシタ色は出ているように思うんだけど、使われている題材の処理に難ありというか、「これ、他の人のマンガでもありそうだよ」的な匂いがしたのかも。

先月の『恋の話がしたい』との連動企画。付録の続きが今回挟み込まれています。
あ〜、私『恋の話がしたい』の邑崎くんて、すごいかわいそうで実は好き。あの嫌われぶりとか。巻末マンガを読んで、邑崎くんが幸せになりますように、とかちょっと思った。
『恋の話がしたい』については、またもう少し考えを整理できたら、書いてみたい。