- 作者: 西炯子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/01/26
- メディア: コミック
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後書きでは、作者の西さんが、子供の頃頻繁に転校していて、人間関係を作るのに苦労したような話があって、それをよんでなんか胸の中ですとんと落ちたものがあった。
よく考えないでいままで読んできたんだけど、いわゆる「非コミュ」の人の話なんだよなぁ。ずっと。一貫して。
友達がいてもなんとなく一線置いているというか、突き放すようなところがあったりして。理解されにくい部分があったり。人に言えないような秘密を持っていたり。それで、つれなかったかと思うと過剰に絡んできたり。他人との距離の取り方が上手くない。上記の本だと、その辺が顕著なのが生徒会長の女の子とか、数学命の男の子(表紙の彼)とか。
前回画像あげた『電波の男よ』に入っている表題作と『波のむこうに』なんかも、それぞれの主人公の容姿とか人間関係に対するコンプレックスがものすごい(「そういうひと(好青年)は私に好意を持たない」とか「あいつらは皮一枚見てくれのことにしか関心はない」「性格を知ったらみんな離れていく」「誰とも関わらないで生きてゆくと思っていた」等々)
でもまあ、彼らもそんな風に閉じこもりながらやっぱり自分を理解してくれる人を猛烈に求めていて、最終的にはそう言う相手と何となくつながれるようになる。だから、読み終わって、ほっとするんだよね。
あと、ちょっと話は変わるけど、西さんの絵って、色遣いとかちょっと変わっているのね。あと画面に独特の粘性がある。なんというか……ものすごく素っ頓狂な例えをすると、オクラの粘りけみたいな、透明でつるんとしていて、かなりゆるくとろんとした感じ。それが好きです。
どのくらい好きって、フジミの挿絵が西さんじゃなくなってから、何となく読まなくなった。
西さんの桐ノ院圭はしゃんとしててかっこよくてでもそこはかとなく間の抜けた感じというか天然な感じが出ていて好きだったなぁ。まあフジミから脱落した理由はそれだけじゃないんですけども。