『ラブソング』
Love song (バンブー・コミックス 麗人セレクション)
- 作者: まんだ林檎
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2007/01/06
- メディア: コミック
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これはいろいろ平均点の高い本だと思う。まんださんはそつのない漫画を書く人で、お下劣系のギャグとかがお得意な方という印象だったのだけど、これは淡々と読ませてくれる。絵柄は派手すぎず地味すぎず、かわいらしさもあって魅力あるお年寄りも描けて、そつのない絵なんだけど、すごい。自然なポージングで欠点が見あたらない。例えば濡れ場の絡みとか、体勢的にはものすごく不自然で、下手な人だとロングショットでは目も当てられないわけだけど、身体のラインとかきれいで自然で、きちんと骨格があるので思わず注視してしまった。また、『恋をせずにはいられない』『4度目の夏』にはプールの場面があるのだけど、水の中を歩いている人の身体の像のゆがみとかに驚かされる。
ただ、たぶん、これは若い人にはあまり積極的に読まれないかな、とか思った。どうなんだろ。
『LOVE SONG』に出てくる刀根くんとか、カラオケで歌うのジュリーだしな。(ちなみに刀根君の思い人波広くんはオレンジレンジとか歌ってる)まあ、刀根くんはそういうキャラに作られているし、ジュリーが刀根君のテーマだというのは、この話の中でとても重要なことなんだけど。取り上げられている歌を知らない世代よりは、知っている世代の方が感じる部分があるかもしれないな、と。
『あたらしい家族』とか、私は一度目読みながら泣いて、さっき読み返してまた泣いた。←泣きすぎる人なので気にしないでください。んだけど、これって、結構年齢的なものかも、と思わないでもない。
竹書房の麗人レーベルですが、そんなに過激ではありません。モザイクかかってるところもありますけど。やってることの過激さよりも、「うわ、この場面のこの絵すげぇ」とか、別のあたりで感動させられた。