key of life

BL小説を書いたりしている江渡晴美の日記です。

雑感

 ここ数日北海道は蒸し暑い日が続いていて、昨日も午前中の段階で30℃くらいあった。本州からいらしたお客さまが、「涼むつもりだったのに、これじゃむこうと全く変わりません」と苦笑していた。
 私は今年から若年者の就職などに関わる仕事をしていて、その関係でYゼミの説明会などにも出ているんだけども、これまであまり深く関わってこなかった分野なので、日々いろんな書類の処理をしながら、ぼんやりでも現状を把握しようとしている。
 昨日いらしたお客様が「私たちの地元では進学志向が強くて若年層の労働力が確保できないんです」とぽろっと漏らされていた。私はそのわきでデスクワークをしていたんだけど、それを聞いて「やっぱそうだよな」と思ったのだった。
 おそらく現在進学と就職のどっちが容易かと言えば、進学の方が全然容易である。進学にかかる費用さえ用意できれば、よほどのことがない限り学校にあぶれることはない状態がここ数年続いている。上級学校職員の人にも時々お会いするが「どんな子でも*1引き受けたい。入れてから何とかするから」とよく言われる。実際就職を希望していたんだけど、仕事が見つからなくて途中から進学に方向転換する、なんてことも珍しくない。
「なるべく早く働きたい」という青少年もいるが、「なるべくならいつまでもだらだら楽して生きていきたい」と思っている青少年も相当多い。高卒後の進路で言えば、専門学校がほぼフリーパス状態なので今後はいろんな意味で大変。受験者は少なく、大学はそんなに減っていないので、受験者は上位学校に集中し、下位ランクの学校はすかすかだ。しかし、無理に上位学校を目指そうなどと思わなければ、別に何もしなくても引受先がある。そうなったら、「楽してそこそこで生きていきたい」層の行動は自ずから見えてくる。
 本州方面の景気回復は、お客様の多さや求人票の内容などを見てもわかる。景気の良い地区の青少年は学費が用意できれば進学するだろう。札幌はそのへんいろんな意味でまだまだなので、「就職志向はありそうだけど、職にはあぶれそうな地区」に企業の人事担当が来るのは全然不思議じゃないよな。
 それで私は昔の「集団就職」とか言う言葉をおぼろげに思い出したんだけど、今と昔が違うのは、だいたいにおいて、親の意識の違いなんじゃないかと思う。「(大きな企業でたくさんお給料もらわなくても、本人の技術とか全く関係なくても)、地元でそこそこ生活していけばいいじゃないの。実家にいなさいよ」という感じか。実際に就職相談などをしている担当者の話を聞くと、現在一番大変なのは「親の説得」なのだそうだ。本人が納得して就職したいと言っても、親がNGを出す、と言うケースがすごく多いという話。それでいろんなところで保護者対象の説明会などやってはみるけど、出席率が全然低いので、効果がなかなか上がらないと言う話。
 で、ふと思い出したけど、昔クラスメートの男子とかで「車を買ってやるから地元の大学へ行け」と言われて地元国立を受けたのって、いたよなぁ、と。
 私はあまり親との折り合いがよくなくて、「早く親元離れたい」と思っていたし、そもそもその辺の執着の薄い家に育ったので、私はその辺がよく理解できなかったけど。
 今でも(その心情を想像し、理解できても)同意はできないし、金子さんも秀英も、将来は好きなところに行けばいいと思っている。希望に見合った努力はしないとならないとは今から言ってるけど。
 いろいろ難しいなぁ。

*1:この中には「どんなアホの子でも」というニュアンスが少なからず含まれる