前にちょっとおつきあいのあった女の子。
ちょっと虚言気味、というか。まあ、学校とかあまり行ってないみたいだったけど、その理由を「ある男の子にいじめられているので」と話していたので、周囲は真剣に心配していたのだが、(そして漏れ聞いたところによると、実際に、その男の子には結構な指導が入れられたみたいなんだが。)その割に町中をべたべたしながら歩いているところなどがよく目撃されていた。え、いちゃこらしている相手はその「いじめられている相手」ですよ。別に変な目で見なくても、「普通に君たち仲良しじゃないの?」と言いたくなるような感じであった。確かにその男の子、身体がとても大きくて、柔道とかやっていたらしいけど、他の子から噂を聞くと、別にその子に特別乱暴だったわけでもないらしい。むしろノート貸してやったり、時間割メールで教えてやったりしていたとか。
そのこのことをすごく心配していた子もいたんだけど、「具合が悪い」って学校に出てこない割に、「今日髪切ってきたんだv」とか、「○○のCD買った」「暇だったら遊ぼう」などと平日真っ昼間にメールを送ってきたり、心配して電話を入れた友達との約束をすっぽかしたり、借りたノートを返さなかったり、「ノートとっといて」と一方的に言ったりなどで、各方面で顰蹙を買いまくっていた。
いろいろいちいちうるさく言われるのが嫌なようだった。立ち居振る舞いとか。もちろん勉強とか。努力を強いられることが嫌いで、直面すると逃げ出すということを繰り返していた様子。
頭は悪くないみたいだったけど、勉強もしてないみたいで、補習もブッチしていたらしい。そんなわけで進級できなくて、学校はやめてしまったようだけど、何度か話をした中で、なんだか、この子は王子様とか待っているタイプなのかな、と、思ったことがある。
いろいろ男の子アイドルのKくんとか(そのころは「野ブタ」放送中)、Wというグループとか好きな子だったけど、そう言うことだけじゃなくて、なんか「そんなに努力しなくてもいいよ。そのままの君が好きさ」という言葉を待っているんじゃないかな、という感じ。
そんなことを考えているうちに「そのままの君が好き」というのは、なんだかものすごい言葉だな、と、思った。いいところはそのままでもいいだろうが、逆にとれば、悪いところがあっても、改善する必要はないということになるよな。どんなにひどくても。
昔々、BLというジャンルがまだ始まった頃には、これがよく言われていたような気もするけど。
目立たない普通の子が学園の王子様みたいな男の子に見初められて、「自分なんか」とか思うんだけど、「そのままの君が好きさ」と言われて、ぽやんとなっちゃうという……これはどこの陳腐な少女漫画ですか(笑)?
でも、バスも通わず裏の山に熊の出るようなド田舎(ちなみに前の川には鮭が上る)で、そんなことを夢見ているような感じであった。
しかし、いくら「そのままの君が好き」と言っても、生活だらしない子は王子様には好かれないと思うのだが、いかがなものか。彼女の夢語りを聞きながら、「この子、そのうち、変な男に捕まってだまされて子供出来たりしなきゃいいけどなぁ*1」などと考えていましたが。それは内緒。
*1:ひどい妄想のようだが、こんな話はゴロゴロ転がっているような地域だったので